「ミリタリー」ものって言われると、自然と心を惹かれませんか?
ミリタリー物のもつ特徴は無骨な男らしさや機能性の高さ、使い込むほどに味が出て「自分だけの一着」になることなど、オシャレ好きの男性に刺さる魅力に溢れています。
今回は、その中でも個人的に「アメリカ軍アウターで最もオススメ」な「US NAVY Pコート」をご紹介します!誕生から80年以上経過した今も、様々なブランドがこのコートを元にデザインしており、完成されたデザインと防寒性は、ぜひともワードローブに加えたい一着です。
今こそ着たいミリタリーアウター!
近年、ミリタリーアイテムの人気が急速に高まっており、有名どころではECWCSのLevel3フリースやLevel7ジャケットは一気に市場を席巻しました。また、古着ブームが再燃しており70〜80’sくらいの「ネクストヴィンテージ」にも注目が集まっています。
そんな中、「ECWCSシリーズはカッコいいのは分かるけど、ちょっとカジュアルすぎるなぁ…」「もう少し合わせやすいものがいいな」
そんな方に、ぜひお勧めしたいのが「US NAVY Pコート」です。
US NAVY Pコートとは
1910年頃からアメリカ海軍の士官用オーバーコートとして採用された「US NAVY Pコート」。船の甲板上で強い雨や風、冷気にさらされる厳しい気象条件下で着用されていたコートです。
そのため、非常に防寒性が高いことから「アメリカ海軍最強の防寒コート」とも呼ばれています。
今では、街中でよく見かけるデザインのコートですが、出自はしっかりミリタリーアイテム。現在のPコートとは根本的に成り立ちが異なり、兵士の身を守るための工夫が随所に凝らされています。
一目瞭然!肉厚で重厚感たっぷりのメルトンウール生地
「アメリカ海軍最強の防寒コート」と呼ばれる一番の理由が生地です。高密度メルトンウールが使われており、生地の厚みも現代のものとは段違いです。
高密度の生地は重厚感たっぷりながら、表面はなめらか。重量も重いですが、普通のPコートとは明らかに一線を画す雰囲気があります。
裏地にはレーヨンのライニングが使われており、脱ぎ着や重ね着もストレスフリーです。
右左どちらからも留められるダブルブレスト
デザインの基本は今と変わらず「ダブルブレスト」。左右に均等に配置されたボタンは、どちらからでも前が留められるようになっています。
これは航海中の船の甲板では風向きが常に変化することから、風向きに合わせて左右の上前を変えることで、風が内側に吹き込むことを防ぐためです。
ダブルブレストのデザイン一つをとっても、単なる装飾ではありません。厳しい気象条件下で作業する兵士を守るための重要なデザインなのです。
実際、しっかりボタンを留めて着るととても暖かく安心感があります。
また、ダブルブレストはスーツのジャケットなどにも見られるデザインであり、シングルよりもフォーマルでかっちりとした印象になります。そのため、デニムやパーカーなどのカジュアルなアイテムと合わせても、全体を引き締めてくれる効果があります。
立てても崩れない大きな襟・暖かいポケット
襟は風よけの為に、立てて使用することが想定されているため大振りです。
肉厚なメルトンウール生地が使用されているため、襟を立ててもまったく形が崩れません。むしろ、立てて着たほうが全体のバランスが取れてカッコよく感じます。
斜めにスラッシュが入ったポケットも、ハンドウォーマーとして使いやすいよう手を入れやすく収まりの良い位置に配置されています。内側の生地はコーディロイが使われており、素手でも暖かみを感じます。
わざわざ生地が切り替えられており、手間がかかった作りです。こういったポイントを発見するとなんだか楽しくなってきませんか?
手袋をしたまま着脱がしやすい大きめのボタン
Pコートと言えば特徴的な「大きなボタン」。パッと見、ただのアクセントにも見えますが…
もちろん、この仕様にもしっかりと意味があるんです。
寒い環境の中で手袋を外さなくてもボタンの着脱ができるようにと、大きなボタンが採用されています。とてもよく考えられてますよね。
ビジュアル的なアプローチではなく、機能性を追求したことが結果的にデザインとしても優れている「機能美」が素敵です。ブログを執筆しながらますます心惹かれてしまう…
このボタンには錨(アンカー)マークがデザインされており、古い年代のものには更に13個の星があしらわれた通称「13スター」ボタンがつきます。
ヴィンテージ愛好家はこの「スターボタン」に希少価値を見出すので、状態の良い個体にはプレミア価格がついています。
全体的なシルエットなど
コートという名称ですが、着丈的にはショート丈。肉厚で重厚感のある生地が使われていますが、重たすぎず着ることができます。生地がしっかりしているため、体のラインを拾わずにコートそのもののラインが出てキレイです。
ジャストサイズでも、インナーに厚手のセーターやGジャンなども着込むことができます。
注意点はサイズ感
ここまでUS NAVY Pコートの魅力をお伝えしましたが、購入を検討されている方に注意点!
チェックすべきは肩幅と身幅です。肉厚の生地が使用されているため、特に身頃と肩口の縫い合わせ部分が強調されています。そのため、自分の肩幅よりも大きなものを着用すると、まるで肩パッドが入った服のように肩が強調されてしまいます。
上からガバッと羽織るタイプのコートなので、サイズ感はジャストでセレクトすると間違いありません。
参考に、178㎝・62kgのやや痩せ型・肩幅広めです。60’sのサイズ「36R」を着ています。サイズ感は年代や個体によって差がある印象です。可能なら試着をオススメしますし、オンラインで購入する場合はサイズの測定値を良く確認してください。
デザインの意味や由来を知るほど楽しくなる
服のデザインの意味や由来って、知れば知るほどすごく面白いですよね。
ファッションの楽しみは着ることがだけではないと思います。知識が1つ増えるごとに、これまで以上にファッションを楽しむことができます。
これからも、着たり見たり買ったりを楽しみながら様々なことを勉強して、少しでも多くの人にファッションを通じた「自分らしく」過ごすためのヒントを発信していきたいと思います。
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